スタートレックと「俺の空」

昔1970年代ヒットした漫画に「俺の空」(本宮ひろ志)というのがありまして、最近「スタートレック」映画2009年版を見て「俺の空」を思い出しました。僕の経験としては「宇宙大作戦」TVシリーズもほとんど見てませんし映画版も見てないので、物語やキャラクターに思い入れはありません。で「スタートレック未体験の人間にとってこの映画、入門編になるかな」と思いついて、つい映画館に行った訳です。でもって映画館で二時間鑑賞。いやあ中身の薄っぺらい映画でした。感動も興奮も無し。主人公にぜんぜん感情移入ができないんです。CGは大変立派だけど今更CGだけじゃ感動もしない時代ですし。
 なにせ脚本がご都合主義をしっかり貫いてます。グウタラな主人公にとって続々と都合の良い出来事が続いて、才能を認める立派な上司が突然やってきて、都合のよい情報提供者が現れて(主人公の努力シーンはほぼ無しで)チンピラたちと喧嘩を繰り返し、思いつきの判断で行動してれば、いつの間にか悪の異星人を撃破して地球を救ってしまった。万歳万歳!という結末なんです。意味のない殴り合いとご都合主義が「俺の空」とそっくりなんじゃないか、もしかして映画監督はこの映画を本宮ひろ志に捧げたんだろうかという気がしたわけですが。あ、でもこんな昔の漫画を思い出せる人も少ないでしょうか(さびれた喫茶店あたりに「俺の空」置いてたりします)。
 それにしても酒場のケンカでテーブル壊すのと宇宙船司令室でケンカして計器盤をこわすんじゃ意味が違いますがな。司令室で殴り合いしてていいんですか宇宙船のみなさん。悪い事にミスタースポックが「論理的」「非論理的」とかいう話を何度も出すからそこで映画が中途半端に理屈っぽくなってます。これだけ幸運が次々やって来るオメデタイ映画に論理も非論理もないだろ、とツッコミをいれた観客は世界に10万人いると思います。見所としては、登場するロシア人乗組員の一人。この変人ぽいロシア人が笑わせてくれました。なおこの「スタートレック」映画2009年版、たぶん根っからのスタートレックファンはきっと見ないでしょうから、どっちみち TVシリーズは今後も変わらない保守的ファンが見続けるのでありましょう。そういえば僕が行った映画館では観客は1−2割くらいでした。こんな古いネタにしがみついてる米国映画界は大丈夫かなと余計な心配までしてしまいました。
今日の弁当はピーマン、にんじん、ハムなど。
090616bento

コメント

  1. じぞう より:

    いわゆる「ハリウッドご都合主義」を貫いている感じですかね?w
    実はスタートレックは見たことがほとんどないので知りません(;^_^A
    パロディーの「ギャラクシークエスト」は大好きですけどもw

    僕はここ最近では(といってももうだいぶ古いけど)アルマゲドンがどうにもひどいと感じましたね〜
    ↑スタートレックとは逆の感じで起こらなくても良いような意味のないトラブルが次から次へと起こりながら映画の時間を無駄に消化している感じ。
    最後は主人公殺して客泣かせばいいだろ的な魂胆みえみえな部分とかもダメでした。

  2. なおひこ より:

    僕もあの「ギャラクシークエスト」は大笑いできて、
    また見たくなる映画のひとつなんです。
    なんだろうなあ、スタートレックにどっぷりつかると
    あのご都合主義にも無理無くつきあえるんでしょうか。
    アルマゲドンは途中しかみてないのですが
    いつかちゃんと最初から最後まで見たいとは思ってます。

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