映画「シッコ」おすすめ

映画「シッコ」を今日見ました。テーマは米国医療事情。大変ためになる内容で、しかもおおいに笑えます。医療問題という固いテーマなのにストーリーは具体的で、一人一人の患者視点からみたり、生命保険会社元勤務の人間にきいたり、政治家の過去の発言をとりあげたり、わかりやすい構成です。アメリカ、カナダ、イギリス、フランス(そして後半でさらにもうひとつの国。これはお楽しみ)で取材して、「いかにアメリカの医療が荒廃しているか」を見せつけ、「いかにアメリカの患者が苦しんでいるか」を見せてくれます。おおまかに言うとカナダ、イギリス、フランスは国が医療保険を負担している(患者窓口負担がほぼゼロ)という国(日本ドイツもまだこれに近い)の代表で、アメリカは医療保険を国が放棄して民間医療保険が医療界を支配しているわけです。(アメリカだけが異端児ともいえます)アメリカの保険会社が患者の必要としている治療をことごとく拒否して利益を増やし、その結果患者が死に追いやられる様子がよくわかります。治療費を払えなくなった患者が本当に病院の車で貧民街に「置き去り」にされる映像(弁護士の証言つき)はかなり衝撃的です。医療がテーマといいながらも、育児、教育、社会全体のしくみという点でもためになる映画ですから高校生大学生むけに、政治経済の教材の映画としてもよさそうです。(アメリカ人の平均寿命が短くて、新生児死亡率が高い点はいろんな人が指摘していますが、この映画でさらにその不幸なアメリカの健康事情を痛感します。)「シッコsicko」の言葉は英辞郎やgoo辞書によると「病人、変質者、精神病患者」というような意味だそうです。(参考資料、世界の国別平均寿命。2006年でアメリカ26位で日本は1位30カ国での乳児死亡率ランキング。2000-2005年で、アメリカは悪い方から6番目、日本は悪い方から28番目(日本が最良)、また日本で医療費の窓口負担ゼロの会も参考になります。日本では患者負担が1割の時代からここ20年で3割に、つまり恐ろしいアメリカ型の民間医療保険へ移ろうとしていますが…さて日本の将来はいかに?)Ban_sicko

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